揺らぐ「選択と集中」

 

ビジネスを数字で分解し次へのアクションを明確にするコンサルタント、長野謙です。

今日もコンサルティングを終えてみて、改めて中小企業には選択と集中が大切だと強く思いました。

でも最近東芝の例などを見ていると、「選択と集中」が間違いなのか?というような出来事が増えていて、少しこのことについて考えてみました。

◆中小企業は選択と集中しか選択肢はない

事業を選択し集中することののメリットは言うまでもなく、人、モノ、金という経営資源を効率よく投入できることです。また1つのことを繰り返し行うことは、経験値が早く上がり、仕事の成果や無駄の排除が行われやすい、という点もあります。

まさに中小企業には必要な要素であり、逆に言うと中小企業はこれしかないわけです。

それは経営資源が少ない、という分かりやすい面だけでなく、業務の経験値を上げる、というのは中小企業が事業を拡大するときに重要な要素になるのです。

スキルに習熟した社員がいないと事業規模を大きくすることが難しくなります。

ですから、中小企業のコンサルティングをしている人は、強みを見つけて、経営者の思いを確認して、そこに集中させる。もしくは集中できる仕組みを作ることが仕事になります。

◆儲けを考えるのは当たり前だが、儲けを1番に考えない

もともと強みをうまく生かして、やりたいことを貫く覚悟がないと出来ないのが選択と集中です。

最近で思うのは、インバウンドに対する対応。中国の爆買いが儲かるからといって、あらゆる小売業がそっちに流れました。

長期的に考えれば海外の観光客が増える方向性にあり、それに対する対応を考えるのは必要なことです。

でも問題は、「爆買い」が本当に長続きすると思っていたのか?
またそれがメインの商売になると思ったのか?ということです。

バブルがはじけた瞬間世界中でブランド品を買いあさっていた日本人がいなくなったことを考えればあまり継続性はないと思います。

まあ、関税の問題で爆買いがなくなることまでは想定外のことかもしれませんが。
儲かるからやる的なビジネスの典型みたいなもんだと思います。

◆一貫性のないビジネスは信用されない

同じような臭いがするのが、補助金や助成金に群がるビジネスです。

こんなもの政権が変わったり、時代の流れが変わると制度そのものが変わってしまうのに、儲かるというだけでみんな群がる。

本当にその仕事やりたいんですか?制度が変わってパイが小さくなっても続けますか?と聞きたい。

爆買いビジネスは銀座の三越がいい例で、中国人が大物を買わなくなったあと、今まで買ってくれていた日本人も買わなくなってしまっていた、なんてことが起きてしまいます。

どうするのでしょうか。また日本人にターゲットを戻すのでしょうか。
コトラーの「マーケティング3.0」でもこれからの時代で大切なのは一貫性だと言われています。

それでは今日も一日良き日でありますように。

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