「何でも出来るは何にも出来ない」なのか?

売上規模1億円~3億円の中小企業の経営者の「もっと数字にこだわる社員が欲しい」「成果を意識して働く社員が欲しい」という思いを実現する経営コンサルタントの長野です。

◆「何を食べても旨い」はイメージできない

私はなぜか新潟が好きです。

独立当初、新潟県の十日町にお客様がいました。新幹線上越線の越後湯沢でほくほく線に乗り換えて十日町まで行きます。

ちょうど南魚沼市あたりで見える山並みと水田の風景は、とても美しい日本の田舎を思い起こさます。いつかこんなところに家でも建てて、東京と行き来できればいいなぁなんてのんきなことを考えていました。

また、食べ物ものがおいしいのが感激します。

蕎麦もうまいし、その辺の居酒屋に入ってご飯を食べても美味しい。そう、何を食べてもおいしいのです。

新潟の人にその話をすると、「そう。新潟は何を食べてもおいしいのよ」と言います。

まあ日常で暮らすには何を食べてもおいしい、という状況は最高でしょうね。

でも、新潟のイメージを何かで語れ、と言われるとちょっと難しいと思いませんか?

「米と日本酒が旨い」という人がいますが、それは山形でも秋田でも石川でも日本海に面している東北から北陸にかけての県は大抵米と日本酒は旨い。

要するに「何でもあるは何もないのと同じ」とか「何でも出来るのは何にも出来ないとの同じ」というのは、この新潟みたいなケースなのだと思います。

◆マーケティングと現実の生活は違う

いわゆるマーケティング的に考えると捉えどころがない。

そんなに旨いなら、もっと新潟料理の店が東京にあってもよさそうですよね。

高知と言えばカツオ、北海道と言えばカニ、いくら、ウニ、など明確なイメージがないとお客様を引き付けられない。

一度だけ、新潟料理の店、というのがあって気になって行きましたが、その時の記憶がほとんどない(笑)

でも、マーケティング的にはバツでも、住むには魅力的な場所は全国いくらでもあるでしょう。

◆独立する人と会社に残る人では求められるものが違う

人材も同じで、独立して何か自分を売り出したり、転職して何か良い職を得ようとすると、自分に特徴が必要になってきます。

「あなたは何をしてくれる人ですか?」という問いに答える必要があります。

でも現実の小さな会社では、スペシャリストが必要か、と言うとそんなことはありません。

マーケティングの勉強をしている人は、そんなところでも何か特徴が必要だ、という人がいます。でも私が中小企業の現場を見ていて思うのは、何でもできる人が必要とされるケースが多いのです。

役割分担が明確でない、いや明確に出来ないような会社や、転職組が多く能力にばらつきがある社内をまとめていく必要があります。

こうした場所では、このなんでも出来る、器用な人のほうが経営者的には頼りになったりします。

全ての人が独立したり転職したりするわけがない。

日本の99.7%が中小企業でそこで働いている人が7割です。

何か特徴を持って独立起業したりすることのほうが、何か自由な人たちでよさげな雰囲気があります。

今は国が旗を振って、起業支援のために税金を投入したりしていますが、あまり有効に使われているとは思いません。

もっと普通に中小企業で働く、なんでも出来る人たちに光が当たると良いと思っています。

それでは明日も良き日でありますように。

 

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