見えない仕事は怖い

源平合戦に富士川の戦い、というのがあります。

源頼朝を倒すために東に向かった平家軍は、
夜に、水鳥の羽音を夜襲と間違って
逃げてしまいました。

合戦をする前から、東軍(源氏側)の武士は
とても屈強で恐ろしい、という噂が
西軍(平家側)であちこちでささやかれていたのです。

それが水鳥の羽ばたく音で、
夜襲だ!というので、慌てて逃げてしまった、
という歴史の話。

第3者が聴くと笑い話にしかなりませんが、
本人にしてみれば「見えない」というのは
かなり怖いもの。

先日、訪問した新規のお客様のところで、
社長が現場のスタッフに、
将来、管理職について欲しい、
と話したところ、強い拒絶反応があったそうです。

まだ、職務ごとの役割を作り上げていない状態なので、
管理職が何をするかも、その会社では決まっていません。

確かに何をやるか分かっていないのであれば、
今まで長く会社に勤め、自分のポジションが
安定している人ほど、怖いはずです。

むしろ、改革に反対する人たちのほとんどは
先が見えない怖さから反発していることが
ほとんどです。

ちゃんと現場のスタッフがやることが
決まっていて、そして何をすれば管理職として
人を育てることができる、評価することができる、
が明確であれば、怖がる必要はありません。

私がコンサルに入った会社では
一人前基準シートという
何をすれば一人前になれるか、
というシートがあります。

ある会社では、これを採用の時に見せて、
あなたも1年これに沿って仕事をすれば、
経験がなくても大丈夫、と話すと
採用が面白いぐらい決まったことがあります。

それぐらい、未知のものでも、
ちゃんと道筋が見えれば、怖くない。

いや、むしろやる気になります。

平家も現状把握が正確に出来ていたのであれば、
結果は変わり、歴史は変わっていたかもしれません。

歴史に「もし」はないですけどね。

【今日のポイント】
見えれば人は動ける。