優秀で一人でなんでもやる人と、自分の能力をあてにせず人に任せる人

おはようございます。
ビジネスを数字で分解し次へのアクションを明確にするコンサルタント、長野謙です。

私が歴史上もっとも不思議に思う人がいて、それは中国の劉邦という人です。中国で初めて統一国家ができたのが秦という国で、初めてというのは無理が多いようで、15年ぐらいで終わってしまいます。その後の混乱の中で漢という「漢字」「漢民族」の語源となる国をつくった人です。

◆助けてもらう能力

裸一貫でのし上がったというと、豊臣秀吉という人が日本にいます。確かに秀吉の物語というのは奇跡的なんですが、分かりやすいのは、秀吉その人がとても優秀な人だった、ということです。

優秀だから、上の人から重宝され、そこそこ出世した、というのは分かりやすいストーリーです。

劉邦という人は全くそんなところがなく、一言で言うと使えない奴、という印象です。戦っても負けてばかりで逃げてばかりいます。でも人に好かれやすいところはあり、なんとなく担がれやすい。

周りが助けてあげないとやっていけない印象を与え、ついついおせっかいな人たちが劉邦を手伝っているうちに、逆に劉邦が上手く使いこなしてしまう、いや活躍の場を与える、という感じでしょうか。

その活躍の場を求めて優秀な人材がいつの間にか集まり、気が付いたらその人材がそれぞれの能力に応じて各部門を担当して理想的に機能します。

◆自分自身が優秀なひと

一方、劉邦の敵である項羽という人は、貴族階級の出身で、戦いもとても強く、それも本人が強くて全軍を引っ張っていくタイプの闘将タイプの人です。

なので自分が強く、戦にも勝てるのであまり人からの意見とか作戦をあまり重視しません。どちらかというとそういうのはまどろっこしくて、力で粉砕した方が早いじゃないか、という人です。

戦国の世の中は、日本の戦国期もそうですが、能力のある人は自分の能力が発揮できる場所を求めて、動いていきます。どちらかというと忠誠心というよりは自分の能力を試してみたい、という気分が強い時代です。

なんとなく今の時代に似ています。

項羽はいつも勝ち、劉邦はいつも負けます。
でも項羽の軍は勝ちながらどんどん人材がいなくなっていきます。逆に劉邦はいつも負けていますが、なんとなく優秀な人材が集まってきます。

劉邦の陣営で重要な役目を果たす部下の中には、元々は項羽の部下だった人たちも何人かいます。

使ってもらえないから、敵のところに行って使ってもらうのです。

◆時と場合で必要な優秀さは違う

いくら意見を言っても自分のアイデアを取り入れてくれない優秀な上司と、何を言っても任せてくれる無能な上司とどっちの下で働きたいか、という選択があればどうしたいですか?

「上司は選べない」とよく言われますが、この中国の混乱期は自由に主人が選べました。

今の時代も会社は選べるし、ある意味仕事をする場所を自由に選択できる時代です。

よく20代の若いころ優秀だ、と周りから言われながら、30代を過ぎても出世できない人っています。自分が優秀なこととリーダーとして人を活かすことはまた別な能力だと言えます。

経営者にも似たようなステージがあります。

自分が優秀であること、人を活かすことに優秀であること、どちらがより大きな能力なのか。

それでは今日も一日良き日でありますように。

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