なぜを5回言うな
先日読んだ本の中の一文。
トヨタ式改善方法の中で「なぜを5回繰り返す」
というのがあるが、
機械や工程の不具合にたいして、
なぜを問うのは良い。
しかしそれを人間に適用するのは良くない。
その理由はなぜを聞かれると
ひとは言い訳を考えてしまうから。
というものでした。
なるほど。確かに。
私も職業柄、お客様やその従業員の方に
質問する場面がとても多いです。
別に責めているわけではないのに、
言い訳を始めてしまう人がいます。
人は質問を繰り返されると
無意識に防衛反応が出ちゃうんですね。
コンサルに限らずコーチングとかでも、
質問が続くとちょっとしんどいぁと
思うことがあります。
生産の現場でのなぜ?は決して個人に対してではなく、
工程や機械の状態に対してなぜこの問題が起きたのか?
という意味の「なぜ」です。
たとえその誤動作の原因が人にあっても、
次に同じことが起きない仕組みを考えます。
これだと人間は誰も悪者にならず、その原因を
探るために徹底して考える、というスタンスが取れます。
でも普通にオフィスで「なぜ?どうして?」と聞かれると
どうしても人に焦点が当たります。
だから帰ってくる言葉も、
○○だからできなかったんです。
忙しくてできませんでした。
もしくは、すいませんでした、次回から気を付けます。
自分は悪くない、もしくは自分が悪かったです。
という反応。
でもこれでは解決につながらない。
解決してないので、繰り返されます。
こうなってしまうと、最初は建設的な話をしようと
思っていた社長や上司も言葉がきつくなってきます。
そうならないためには、こう質問してください。
どういう環境だったら出来たのか?
何があると出来たのか?
結局オフィスも工場の生産現場と同じと考えればいいのです。
引継ぎのルールが決まっていないから。
納期(提出期限)、仕様(出来上がりのイメージ)が曖昧。
手順がやる人によってばらばら。
これらはすべて個人の問題というよりも
コミュニケーション、情報共有のルールが決まっていない、
というのが原因です。
工場で生産ラインに問題があるのと、
オフィスで成果が出ないことは基本的には同じこと。
「そんなつもりはない」と言いながら
人に焦点が当たっていないか?
意識するだけでもかなり変わってきます。
【今日のポイント】
なぜ?は人に向けず、環境や仕組みに向けてみよう!