相手を見ているのか、自分の頭の中を見ているのか

売上規模1億円~3億円の中小企業の経営者の「もっと数字にこだわる社員が欲しい」「成果を意識して働く社員が欲しい」という思いを実現する経営コンサルタントの長野です。

私は「中小企業診断士」という資格を持っています。結構難関資格と言われていて、私も仕事をしながら4年ほど取るのにかかりました。

合格率は4%ぐらい?

1次、2次試験とあり、1次は7科目もあり、初めはこのボリュームに圧倒されます。

が、そこはそれほど難しくないです。というか、知識なので時間をかけて頑張れば受かります。駄目なパターンは仕事と勉強が両立できなくて、あきらめたパターンと、勉強する習慣が続かなかった場合ですね。

◆知識よりも素直に捉える力

問題は2次試験です。私もここで4年間、引っかかりました。

2次試験は事例問題で、知識も必要ですが、それ以上に事例に上がっている企業に対して正確なアドバイスが行えることが大切です。

でも実際のコンサルティングの場合は「正解」なんて、基本ありませんから、そこはやはりペーパーテスト。答えがあるわけです。

だから、どれぐらい問題を素直に読んで、素直に答えが書けるか、というのが大切になります。

だから、私も資格を取って、いろんな中小企業診断士に会いましたが、大学生で1発で通った人にもお会いしました。社会人経験がなくても国語力で受かるわけです。

◆対象よりも自分の頭の中を見てしまう

でも、人によっては10年ぐらいかかっても通らない人もいます。

何が違うのか。

それは与えられた事例に対して、バイアスを掛けずに見れるか?ということです。

私が不得意だったのは、小売店とかサービス業とかの事例。私は小売業出身なので、普通に考えると得意な感じがするのですが、いつも点数が悪かった。

なぜか?

それも簡単で、事例に対してすごくイメージが湧きやすく、勝手にゴールまでのストーリーを作ってしまって、それが相手が求める答えとすごくずれているわけです。

「知っている」と思うことが、事例の内容を注意深く読むことを妨げ、そして間違った解釈をしてしまう。

この試験にてこずるのは、結構頭のいい年配の方だったりします。

企業経験も豊富で、経験も十分あり、大企業などで地位も高かったりします。

でも、その経験がすべてあだになるのです。

社会人経験のない大学生のほうが、与えられた問題に対して素直に見れるのに対して、経験豊かなサラリーマンのほうがバイアスがかかりやすくなってしまう。

でも同じような条件でも、ちゃんと自分はバイアスがかかりやすい、経験も必要だが先入観は間違った答えを生む、と経験を上手く生かせる柔軟性をもった年配の方もいます。

◆身近で「知っているつもり」のモノが危険

私もこれを理解するために4年も勉強していたんですね。まあ、こういう大事なことを気づくための時間だったと思えば無駄ではなかったのか(笑)

コミュニケーションで障害になるのも、相手の一部を見て「こういう奴だ」と分かったつもりになってしまっていることが原因になることがあります。

しかもよく知っている相手ほどそうなっていたり。

奥さんや、自分の部下、社員など、自分が知っている人ほど、「あいつはこういう奴だ」と決めつけてないか、一度先入観を外してみると良いかもしれません。

昔、山本周五郎の短編の中に、奥さんが死んで、お通夜に来る人たちが主人の全く知らない人ばかりで、初めて自分が妻をいかに理解していなかったか、と気づく、という内容のモノがありました。

ちょっと寂しいですよね。

それでは明日も良き日でありますように。

 

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